トリッキーだけど、面白い!そして美しい! 映画『美しい星』感想/ネタバレ

三島由紀夫の異色SF小説を、「桐島、部活やめるってよ」「紙の月」の吉田大八監督が映画化した作品。

平凡な家族が突如として「宇宙人」に覚醒する姿を、舞台を現代に置き換えた大胆な脚色で描いている。

『桐島、部活やめるってよ』がとても好きなので吉田大八監督最新作となれば期待せずにはいられないわけで。

まぁ三島由紀夫に関しては本を一冊も読んだことはないけれども、井浦新が三島由紀夫を演じた『11.25自決の日』を観たぐらいの知識しかないので何もやんややんや言える資格もないのですが、今回は原作を現代に置き換えてという形のようなのでそれはとても楽しみだなぁと。

昔の時間軸を描くものより現代を描いている作品の方が実感がわきやすくて乗りやすい僕です。

さて、本作ですが、物語が進むに連れて理解の範疇をどんどん超えていく作品であるのでだいぶ癖が強いと言えると思います。

しかし、最近の邦画でここまで癖の強い作品は見られなかったようにも思うし、思いもしなかった地点に連れて行ってくれるという点でとても興味深く、そして面白い作品でありました!

それでは以下あらすじなどをどうぞ!

あらすじ

予報が当たらないことで有名なお天気キャスター・大杉重一郎は、妻や2人の子どもたちとそれなりの暮らしを送っていた。そんなある日、重一郎は空飛ぶ円盤に遭遇したことをきっかけに、自分は地球を救うためにやって来た火星人であることを確信。さらに息子の一雄が水星人、娘の暁子が金星人として次々と覚醒し、それぞれの方法で世界を救うべく奔走するが……。

スタッフ

監督
吉田大八
原作
三島由紀夫
脚本
吉田大八
甲斐聖太郎
撮影
近藤龍人
照明
藤井勇
音楽
渡邊琢磨

キャスト

  • リリー・フランキー 大杉重一郎
  • 亀梨和也 大杉一雄
  • 橋本愛 大杉暁子
  • 中嶋朋子 大杉伊余子
  • 佐々木蔵之介 黒木克己
  • 友利恵 中井玲奈
  • 若葉竜也 竹宮薫
  • 藤原季節 栗田岳斗
  • 樋井明日香

作品データ

製作年 2017年
製作国 日本
配給 ギャガ
上映時間 127分

これは何の話だったのか?

まず最初に観終わってからこれが何の話だったのか?冷静に考えてみてもちょっと良くわからないというのが正直なところです。笑

ただ確実に言えるのは家族の話であったということと、最後はその部分に感動させられていたということです。

本作が家族映画であることは最初のシーンが誕生日パーティーのシーンであることからも確実なことであろうと思います。

そして最後の構造に不覚にも涙しそうになるくらいに感動してしまったということは紛れもない事実なのであります。

こんなに変な映画なのに。笑

現代映画においてここまでトリッキーな作品って今まであったかなと考えた時に、この吉田大八という映画監督がそもそも『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』や『クヒオ大佐』の監督であったことを思い出しました。

あの2作も今にして思えば相当にトリッキーでありながら、描いていることは普遍的なものであったように思います。

なので本作の作風は決して奇をてらったものでもなく、純粋な吉田大八節のアップデート版なのだと素直に感心させられました。

しかもそれをジャニーズの亀梨和也が出演している作品でやれてしまうという力強さ。

とてもいいと思います。

三島由紀夫の原作

原作は全くの未読なのですが、映画を見てから元の原作がどういう時代背景のもので、

またどういうキャラクター設定のものなのかはとても気になりました。

どれだけ原作を踏襲した作品になっているのか。

時代設定を変えてこれだけのものを作り出すことが出来るなら、いくらでも昔の小説を掘り起こして映画としての良作を作ることが出来るのではないか、そんな淡い期待を抱いてしまいます。

しかし、実際はそんなに簡単なことではないのでしょう。

この作品が生まれるのにはかなりの苦慮があったはずです。

時間があれば原作小説も読んでみようと思います。

キャスティングの妙

『桐島、部活やめるってよ』の最大の功績はなにかというとまだ無名の若手役者たちを多数起用し、そこから軌道に乗った役者が何人もいるという点だと僕は思っています。

そんな吉田大八監督は本作でも若手の注目俳優陣を抜かりなく起用していて思わずうなりました!

まず『葛城事件』での活躍が記憶に新しい若葉竜也。

金星人を名乗り橋本愛演じる暁子を引き込んでいく怪しげな役をきっちり好演していました。

『ケンとカズ』の藤原季節。

ミスコンを仕切っているチャラついた大学生演じていました。キャラクターと凄くマッチしていて良かったのではないでしょうか。

そして『SHARING』『後妻業の女』の樋井明日香!

彼女は僕が『後妻業の女』記事を書いたときに激推ししていた娘なので今回出てきたとき思わず前のめりになりました。笑

役としてはあまり大きくなかったですが地道にコツコツと頑張ってほしいです。

ただ今回残念だったのがリリーフランキー演じる大杉の部下を演じた友利恵さん。

もっと他に誰かいなかったのかなぁと思わずにはいられませんでした。

なんだかいろんな面が中途半端というか…。

でもその中途半端さがあの役に合っているのか?そういうことなのか?

もっと映画に広がりを持たせられる役だったと思うので残念です。

比類なき美しさ

さて、上で語ってきたことの他にもリリーフランキーにちょっと芝居をさせ過ぎなんじゃないかとか亀梨和也『PとJK』の方がよかったよねーとかいろいろあるのですが、

今回僕が最も言いたいことは橋本愛と佐々木蔵之介がめちゃくちゃ美しいということなのです!

国内外問わず今までいろいろな作品で宇宙人的な「この世のものならざる者芝居」というのは結構目にする機会はあると思うのですが、

本作での橋本愛、佐々木蔵之介はそういう芝居をさせた結果として美しさが浮かび上がってしまっているのです!(いい意味で)

こういう芝居をさせると無駄なものが排除されてただひたすらに美しくなれるのかと新しい発見をしたように感じました。

橋本愛だけならまだわかるけれど、佐々木蔵之介までもぉ!と驚きを隠せませんでした。

ぜひ多くの人にこの圧倒的な様式美を体感してほしいと思います。

単純に本作の撮影を担当している近藤龍人さんの画作りが素晴らしいのかもしれませんね。

最近名前を見ないなぁと思っていたら本日公開の『武曲-MUKOKU-』の撮影も担当されているようなのでとても楽しみです。

まとめ

先日ツイッターで監督本人が「面白いけどあまり人におすすめはしないと見た人からよく言われる…。」と語っていましたが、確かにそういう側面もある作品だとは思います。

でも見た人の心に確実に何かを残す作品だと思いますのでぜひ劇場でご覧ください!

多分DVDだとなんだこりゃ?となって途中で止めてしまう方もおられると思うのでぜひ劇場で!笑

おすすめ度

☆8/10

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