SF要素のその先に 映画『メッセージ』感想/ネタバレ

『プリズナーズ』『ボーダーライン』などを手がけ、2017年公開の『ブレードランナー 2049』の監督にも抜擢されたカナダの鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴが、異星人とのコンタクトを描いた米作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を映画化したSFドラマ。

近年の映画界における最重要監督と言っても過言ではないと個人的に思っているドゥニヴィルヌーヴの新作とあっては「初日に観に行かないわけにはいかないでしょ!」ということで勇んで行って参りました。

(彼の監督作『灼熱の魂』はもっと広く知られてもいいと思うの。)

SF作品がそんなに得意ではない僕ですが、本作はSFという形を借りて人間の心をきっちり描いている作品だったためとても満足のいく作品でありました。

それでは以下あらすじなどをどうぞ。

あらすじ

ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。

スタッフ

監督
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作
テッド・チャン
脚本
エリック・ハイセラー
撮影
ブラッドフォード・ヤング

音楽
ヨハン・ヨハンソン

キャスト

  • エイミー・アダムス ルイーズ・バンクス
  • ジェレミー・レナー イアン・ドネリー
  • フォレスト・ウィテカー ウェバー大佐
  • マイケル・スタールバーグ ハルパーン捜査官
  • マーク・オブライエン マークス大尉
  • ツィ・マー シャン将軍

作品データ

原題 Arrival
製作年 2016年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間 116分

 宇宙人と交流する話

今回前情報は予告を見ていた程度であまり入れていなかったので、ざっくり「宇宙人と交流する話」ね、はいはい。ぐらいな感じだったのですが見て見ると、そういう側面もありながらもっと深いところに着地する話だったのでほほぅととても感心しました。

今回の地球外生命体はこの写真奥のような造形をしています。

それがもう全然可愛くないんです。笑

出てきた瞬間は不気味でしかない。

呼び名も7本脚という意味の「ヘプタポッド」と名付けられていてこれまた全然可愛くない。笑

でも見ていくうちになぜか愛着が湧いてくるというか、肌の質感がゾウに近い感じで「もはや彼らはゾウなのでは?」と思わずにはいられませんでした。笑

さて、そんなゾウさんが地球にやってきた目的はというと、

だそうです。

その武器とはなんなのか。

それが本作においてとても重要なものになっていきます。

キャスト陣

ここでざっくりキャスト紹介をします。

まずはこちらエイミーアダムス。

僕は公開1か月くらい前までこの映画の主演はヴィルヌーヴの前作『ボーダーライン』の主演エミリーブラントだと思い込んでいたんです。

もう字面の「エ」だけで判断していて「ヴィルヌーヴ相当気に入ってんだなー」なんてのんきなことを思っていました…。失礼しました。

エイミーアダムスを見るのは『her』以来かな?なんて思って調べたらティムバートンの『ビッグアイズ』なんてのもありましたね。

なんにせよ結構久しぶりに見たのですが素晴らしかったと思います。

そしてこの人ジェレミーレナー。

これまで出演作を多数見てはいるものの正直特に何の印象もなかったのですが…

今回は「あぁとても良い役者さんだなぁ」と素直に思わされました。

本作における最重要人物と言ってもいいような役柄なのでぜひ楽しみにしておいてください。

そしてこの人フォレストウィッテカー!

かつて『バンテージポイント』という時系列ぐちゃぐちゃ映画を観て以来この人のファンです。なんか顔が好き。

『ローグワン』ではそんなに大きな役ではなかったのでうーんという感じでしたが今回もそんなに大きな役ではないです。うーん。

でも登場シーンの感じとかとても好きよ!

圧倒的な世界観

本作は「殻」と呼ばれる密閉空間の中でのシーンが主で一見すると退屈に感じてしまいがちな設定ではあるのですが、そうならない工夫が随所に散りばめられています。

まず撮影です。

撮影はブラッドフォード・ヤングという方で彼の関わった作品を見るのは初めてだったのですが作風にとても合っていて良かったと思います。

この無重力表現とか、ただカメラを逆さに据えてるだけなのだろうと思うのですがなんだか凄い力強さのある画になっていたと思います。

『プリズナーズ』から毎度組んでいたロジャーディーキンスではなく今回はなぜ彼なのだろうと考えてみるとまたこの映画の世界が広がっていくような気がします。

そして撮影のみならず本作の世界観を大きく牽引しているのがヨハンヨハンソンによる音楽だと思うのです!

もう彼の音楽なくしてはヴィルヌーヴ作品成立しないのではないかと思えてしまうくらいの圧倒的な没入感!

ちょっと凄いっす。これはぜひ映画館の音響で体感してほしいっす!

「殻」のうめき声のような音や鳥のさえずりのような音、それと混ざり合うように終始流れ続けている重低音を主体とした不穏さに満ちた音楽。

ほとんどノイズに近いようなその重低音が見ている僕たちの不安を煽りその世界から引き付けて離しません!

僕はその音楽のせいか、若干風邪気味で体調が悪かったせいかは分かりませんが終始浅い呼吸をせずにはいられない緊張感に閉じ込められました。

ヨハンヨハンソン。ぜひ名前だけでも覚えて帰ってください。

メッセージという邦題

本作の原題は『Arrival』というそうです。到着とかそういう意味なんだそうです。

さまざまなレビューを見て見ると邦題がクソ!みたいな意見を見たりもしますが僕はこの『メッセージ』という邦題はとても良いと思います。

ヘプタポッドは何をするために地球にやってきたのか。

やってきた先になにが待っているのか。

そして終盤の展開が持つ深い余韻が僕たちに与えるメッセージ。

それはもうなぜ我々は生きるのか?という問いと同じぐらい普遍的で良質なメッセージなのです。

もしかしたら終盤の展開がややSF寄りというか、現実的じゃなさ過ぎてちょっと…なんて思う人もいるかもしれません。

でもそのSF要素の先に誰しも1度は考えたことのあるような人間的問答が隠れているということに僕はものすごく感動できたのです!

『イットフォローズ』を観てホラー映画の懐の深さに感服したように『メッセージ』観て今僕はSF映画の奥深さにひれ伏しております。

まとめ

とにかく僕が言いたいのはドゥニヴィルヌーヴの新作がシネコンでも見れるぐらいの規模でかかっているのだから見ないという選択肢がまず存在しないよね?ということと。

今年『メッセージ』と『ブレードランナー2049』の2本もヴィルヌーヴ作品が見れるなんて最高かよ!やっふー!ということです。

『ブレードランナー2049』のヴィルヌーヴ×ゴズリング×ディーキンス×ヨハンヨハンソンの布陣とか、これが面白くなかったらもう『ブレードランナー』の続編という企画自体に無理があったんだと素直に諦められる感あるよね。
楽しみだなー!

新海監督の感動ポイントはよく分かりませんが、新海さんもこう言っているのです。

絶対に見ましょうね!

それが僕からみなさんへのメッセージです!(ドヤァ!)

おすすめ度

☆9/10

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