逃げ場もないけどキャラもない『ノー・エスケープ 自由への国境』感想/ネタバレ

「ゼロ・グラビティ」で父アルフォンソ・キュアロンと共同脚本を手掛けた息子ホナス・キュアロンがメガホンをとり、アメリカへの不法入国を試みるメキシコ移民たちが謎の襲撃者に狙われ極限状態に追い込まれる姿を描いたサバイバルスリラー。

映画監督の息子や娘もまた名監督になる素質を大いに秘めている!

というのが僕の持論なのですが、それならば本作もチェックしなければ。

ということで今回観に行ってみました。

しかし、その結果は…。

あらすじ

メキシコとアメリカの間に広がる砂漠の国境地帯を、モイセスら15人の不法移民たちが越えようとしていた。そこへ突如として銃弾が撃ち込まれ、仲間の1人が犠牲になってしまう。摂氏50度という過酷な状況の中、水分も武器も通信手段も持たない彼らは、生き残りをかけて壮絶な逃走劇を繰り広げる。

スタッフ

監督
ホナス・キュアロン
製作
ホナス・キュアロン
アルフォンソ・キュアロン
脚本
ホナス・キュアロン
マテオ・ガルシア
撮影
ダミアン・ガルシア
編集
ホナス・キュアロン

キャスト

  • ガエル・ガルシア・ベルナル モイセス
  • ジェフリー・ディーン・モーガン サム
  • アロンドラ・イダルゴ

作品データ

原題 Desierto
製作年 2015年
製作国 メキシコ・フランス合作
配給 アスミック・エース
上映時間 88分
映倫区分 PG12

キャッチコピーの弊害

本作の宣伝文句として謳われていたものに、

「砂漠版ドントブリーズ!」

「ゼログラビティの原点がここに!」

などがありまして、

僕もまんまとそれを信じて観に行ったわけなのですが、

そういう期待をして観に行くと肩透かしを食らうというか、

全くもっとドントブリーズ、ゼログラビティと比べるに値しない作品であることが浮き彫りになってしまうだけなのでやめた方がいいのではというのが僕の見解です。

少人数かつ閉ざされた空間

ドントブリーズ、ゼログラビティに共通して言えるのはどちらも登場人物が少人数で、

なおかつ閉ざされた空間に身を置かざるを得なくなってさぁどうする…。という内容だということです。

確かにそういう面においてはこの『ノーエスケープ』も同様なのですが、

圧倒的に違うのがその後の展開のバリエーションの多さでしょうか。

例えドントブリーズはあの狭い空間の中でも物語が思いもしない方向に急展開され、

「おいおい、マジかよ!そりゃスゲーな!」

と興奮しながら見れるのに対し、

『ノーエスケープ』最初15人ぐらいいた不法移民たちが銃で単調に殺されていったり、

隠れようにもサボテンの影のような茂みしかないのでひたすら走り回ることしかできないという画的なつまらなさ、

またとってつけたようなテディベアのくだりに象徴される人間ドラマのなさが見るものを引き付けるのを拒んでいるように感じました。

もう、逃げ切ることが出来ようが出来なかろうがどうでもいいよと思わずにはいられなかったりしました。

メキシコ、アメリカ間の不法移民問題に詳しければもっと面白く見れるのかもしれませんが、

それがわからなくても面白く見れる作品はいくらでもありますからね。

(ヴィルヌーブの『ボーダーライン』とか。)

そう考えるとあまりにも凡作であったと言わざるを得ません。

まとめ

アルフォンソキュアロンがプロデュースしてその息子が監督するとあって、

例えつまらなかったとしても『トゥモローワールド』級のワンカットがあったり、

なにかしらの妥協を許さぬこだわりがあるのではと期待した僕がバカでした。

この作品が証明したのは結果としてアルフォンソキュアロンが親バカであるということぐらいです。笑

っていうかゼログラ以降撮ってないんだから早く新作撮って頂戴な…。

おすすめ度

☆5/10

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