170ページを描き切るということ『火花』最終話 感想/ネタバレ

あらすじ

最後の漫才で渾身の漫才を披露したスパークスは、観客を笑顔と涙の渦に巻き込む。

1年後、神谷の失踪を知った徳永の元に1本の電話がかかってくる。

現実のようにほろ苦く

最終話を経てこの物語が決して芸人の成功物語ではなく、

夢破れていく男たちの物語であったことが理解いただけたと思います。

このバランスがとても純文学的だなぁと思ったりしています。

まぁ作者の又吉は芸人として成功するだけでは飽き足らず小説家としても大成功を収めているという皮肉。笑

この物語全体の肝として描かれる徳永と神谷の関係の中でとてもいいなと思うのが、

スパークスが解散するとなったからと言って安易にこの2人がコンビを組むことはなく、

そんな芸人がコンビを組むということは仲のいい人と一緒にバカをやるようなそんな単純なことじゃないんだというある種のシビアさをまとっているところでしょうか。

最後に地域の漫才大会にふざけて出るくらいがちょうどいいんだというバランスがとても心地よいです。

まぁちょっと神谷の風貌に関してはよく理解できず?がいっぱいですが、良しとしましょう。笑

解散、その後

最終回で主に描かれるのは解散から1年後に徳永がどうやって過ごしているかということで、

彼は事務所社長の紹介で下北沢の不動産屋で働いていました。

僕は以前下北沢周辺に住んでいたので、

「あ、そこの店の前通ったことある!」

と見ながら興奮したりしたんですがまぁそんなことはどうでもいいですね。笑

そんな徳永の元にお笑い芸人を目指している2人組がやってきて部屋案内をするシーン。

この2人組が売れるかどうかはさておき、久しぶりに触れるお笑いの世界に仄かにテンションが上がる徳永の表情がとても印象的なシーンだったと思います。

お店で車を借りて吉祥寺の街を思い出しながらぶらぶらしている徳永の前に子どもを連れた真樹がやってくる。

その子どもの父親があの男であるかどうかは定かではありませんが、きっと真樹の中にもあの日々の思い出が少なからず残っているだろうと信じるのは男の勝手なエゴでしょうか?

残ってたらいいなぁ。

まとめ

正直このドラマのピークは最終話の前半10分くらいだと思います。

その後は蛇足と言えば蛇足なんです。笑

特に初見時前半でボロ泣きした僕はその後の展開にだいぶ困惑したのを覚えています。

でも今こうして改めて見て見ると、この連続ドラマという形での締めくくりとして、

とても適切で、ゆるりとこの時間が続いていくんだなあという余韻とともに終わることが出来ている素敵な締めくくりだと個人的には思います。

『火花』は僕に文庫本サイズで170ページの作品を忠実に実写化するにはこれぐらいの時間をかけてじっくりやらなくちゃダメなんだということを教えてくれるとともに、自由に作品を作ることが出来ればこれぐらいできるという映像作家たちの気概を見せてくれた作品だったように思います。

だからこそ映画版がとてつもなく不安なんですよな。笑

2時間ちょいでこの物語が同じ密度で描き切れるとは思えない…。

今回のNHKでの放送でどれくらいの人々に届いたかは分かりませんが、

これからも忘れ去られることなく多くの人に愛されるNetflix版『火花』であればいいなぁと思います。

それではまた、別の記事でお会いしましょう!

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