立ちはだかる某将棋映画の影『3月のライオン前編』 感想/ネタバレ

あらすじ

幼い頃に交通事故で両親と妹を亡くし、父の友人である棋士・幸田に引き取られた桐山零。深い孤独を抱えながらすがりつくように将棋を指し続けてきた零は、中学生でプロ棋士の道を歩みはじめる。しかしある事情から幸田家での居場所を失い、東京の下町でひとり寂しく暮らしていた。そんなある日、和菓子屋を営む川本家の三姉妹と知り合った零は、彼女たちとの賑やかで温かい食卓に自分の居場所を見出していく…。

スタッフ

監督
大友啓史
原作
羽海野チカ
脚本
岩下悠子
渡部亮平
大友啓史

キャスト

  • 神木隆之介 桐山零
  • 有村架純 幸田香子
  • 倉科カナ 川本あかり
  • 染谷将太 二海堂晴信
  • 清原果耶 川本ひなた
  • 佐々木蔵之介 島田開
  • 加瀬亮 宗谷冬司
  • 高橋一生 林田高志
  • 伊藤英明 後藤正宗
  • 豊川悦司 幸田柾近

作品データ

製作年 2017年
製作国 日本
配給 東宝、アスミック・エース
上映時間 138分

将棋が題材の映画

まず最初に言っておきたいこととして本作が将棋の映画であることによって否応なしに昨年の傑作映画『聖の青春』と比べられてしまうということです。

現に僕は観ている間ずっと『聖の青春』のことを考えていました。

また、登場人物にも類似点が多々ありそうなってしまうのも必然だと思います。

染谷将太演じる二海堂晴信は明らかに村山聖をモデルとしたキャラクターであると思われるし、

日本将棋界を描くうえで絶対に無視できない羽生善治という人物を本作では加瀬亮演じる宗谷冬司として描いています。

この二人のキャラクターが出てきてしまうことよってどうしても『聖の青春』を重ねて見ざるを得ないのです。

そしてその描写がことごとく『聖の青春』の方が上回っている。

これはもうどうあがいても覆しようのない現実だと言えるでしょう。

これを特殊メイクで再現している時点で自ら負けを宣言しているものなのではとさえ思えました。

(染谷将太に否はない)

出演陣の好演

それでも出演陣は概ね好演していると思います。

特にさきほど挙げた染谷将太と加瀬亮は彼らにしか出せない魅力を放ってくれていると思いますし、

有村架純も今までに演じてこなかった役柄を真摯に演じてくれていると思います。(ほんの少し色っぽい描写もとってもグッド。)

そして個人的に一番推したいのがこの清原果那ちゃん。

顔がとてもタイプです。笑

とにかく可愛いです。

今回初めて拝見したのですがここからどんどん売れていくのではと感じさせられました。

調べてみるとまだ15歳なんですね…。

ダメだわ、犯罪だわ…。笑

そして余談ですが川本家の3女を演じる新津ちせちゃんは『君の名は。』の新海誠監督の娘さんだということです。

とても可愛らしかったんですが、神木君との『君の名は。』繋がりで話題にさせるためのキャスティングか…?と穿った見方をしてしまいました。笑

それと主演の神木君ですが、うーん彼はいつも通りというか「これは!」と思わせてくれる芝居は前編には特にありませんでした。

予告編にもあるこちらがおそらく見どころの一つなのでしょうがちょっとオーバーアクトだし、これを叫んでいる場所が千駄ヶ谷駅近くの東京体育館前の広場だと思われる場所なのですが、

「え、そんなところでは叫ばんでしょう…。」

と思わずにはいられないロケーションだったのが非常に残念に感じました。

零が住んでいる部屋の前の川のロケーションはとてもいいんですけどねぇ…。

感情の表し方

大友監督の前作『ミュージアム』でもそうでしたが、登場人物たちの感情の表し方が一辺倒で見ていてなんの感慨も抱けないものになってしまっているのが全然ダメだと思います。

もう僕は大友監督はそういう繊細な演出ができない人という風に見ています。

対局後の甲本雅裕さんのシーンとかオーバーアクト感が如実に表れていてとても良くないし、

中でも全然演出できていないなと思わされたのが対局中の第3者目線のガヤのひどさでした。

その対局における緊迫感を伝えきるものに全くなっておらず、しかも対局の大半をナレーションで処理するだけでなく対局者同士が心の中で会話するという、

「なんだよ、それ!」と思わず扇子を投げつけたくなるようなセンスのない演出にはほとほと呆れました。

『聖の青春』のあのサブキャラまでしっかりと血の通った演出を見て勉強しろ!と思わずにはいられなかったです。

対局中のカメラワークも毎回同じような画作りなので対局の度に垣間見える新たな一面が全く感じられなかったのも非常にマイナスでした。

後編も絶対に観たい!と思わせてくれるような惹きの強さがここまでない前後編作品も珍しいのではないでしょうか。

この作品を前後編にしたのは正直失敗だと思います。

前編を見てしまったので一応後編も見ようと思います。

恐らく大きな改善は見られないでしょうが…。

おすすめ度

☆6/10

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