橋本環奈は女優になることができたのか!? 映画『ハルチカ』 感想/ネタバレ

あらすじ

吹奏楽部に所属する幼なじみの高校生ハルタとチカが、様々な事件を解決していく姿を描く初野晴の人気青春ミステリー小説で、テレビアニメ化もされた「ハルチカ」シリーズを映画化。美形で頭脳明晰なハルタと、気は強いが前向きで天真爛漫のチカ。幼なじみだが引っ越しで離れ離れになっていた2人は、高校で再会。憧れていた吹奏楽部が廃部寸前と知ったチカは、吹奏楽部で大好きなフルートを吹くために、ハルタを引っ張り込み部員集めに奔走するが……。

スタッフ

監督
市井昌秀
原作
初野晴
脚本
市井昌秀
山浦雅大
エグゼクティブプロデューサー
井上伸一郎

キャスト

  • 佐藤勝利 上条春太(ハルタ)
  • 橋本環奈 穗村千夏(チカ)
  • 恒松祐里 芹澤直子
  • 清水尋也 檜山界雄
  • 前田航基 片桐誠治
  • 平岡拓真 宮本恭二
  • 上白石萌歌 米沢妙子
  • 二階堂姫瑠 野口わかば
  • 志賀廣太郎 岩井俊雄
  • 小出恵介 草壁信二郎

作品データ

製作年 2017年
製作国 日本

配給 KADOKAWA
上映時間 118分

元々そんなに興味のあった映画ではなかったのですが、監督が『箱入り息子の恋』の市井昌秀監督ということなので今回観に行ってみました。

本作における僕の最大の関心事は橋本環奈を女優として押し上げていることに成功しているかどうかという一点で、今回観に行くに際して予告もキャストもほとんど知らないまま観に行きました。

結果として映画として頑張っているところもなくはないが個人的には…と言ったところでしょうか。

とはいえ僕の鑑賞した回に来ていた女子高校生グループは上映中からすすり泣いていたのできっと高校生にとっては響くところがある映画なのでしょう。

女優としての橋本環奈

さて、先ほど述べました橋本環奈を女優として押し上げているかどうか?ですが、結論から言ってまだまだ厳しいというのが率直な意見です。

冒頭から主人公なわけですから前面に押し出しながらの登場となるわけですが、そのキャラクターがあまりにもウザい。

もし可愛くなかったら顔面パンチしたくなってしまうぐらいにウザい。

中盤以降はだいぶ落ち着くのでもうちょっと序盤は何とかならなかったかなぁと思ってしまいました。

序盤と終盤にも出てくるこのバスのシーン。

こんなに満員のバスの中でのやり取りとしてはちょっと不自然に感じてしまったのであまり乘れなかったです。(バスだけに。笑)

ただチカの暴力的なキャラ設定は悪くない。

主に僕もあんな可愛い子になら殴る蹴るの暴行を加えられてみたいという意味において。笑

でも、あんなに暴力的であることの理由付けは一切されていない上に男にだけそういうことをするのでなんかそういう男の願望を無理やり押し付けているような気がしないでもない。

主要キャストの序盤から中盤にかけての描き方

お話の軸が部員集め、コンクール出場の2部で構成されているのですが、部員集めが些か駆け足になってしまっているためキャラクターそれぞれに愛着が湧かないし、部員が揃った段階で元いたであろう部員たちがこぞって再入部するのも「ん?」といった感じでした。

あんなに入部を渋っていたまえだまえだ兄とその彼女的な人が急に楽器を吹き出して再入部するくだりは楽しげではあるのだけど、どうもご都合主義的に思えてしまいました。

それとまえだまえだ兄と彼女的な人は冒頭でカマシ的なあるワンシーンがあって、そこはとてもいいのですがその後そういうそぶりすら見せない感じにもちょっと不自然さを感じてしまったり。

キャスティングとしてブ男ブ女なのはとてもいいのですが、だからこそそこにはもっといちゃいちゃして欲しかったなという風に思いました。

それとこの不良チックな方が意外とあっさりと馴染んでいってしまうのも、納得いきませんでした。

不良なら不良らしくもっといざこざ起こせや!笑

全体的に中盤までは都合よくことが運び過ぎてるんですよねえ。

妙子さん(上白石萌音さんの妹さん!)がたらこさんとからかわれていたんじゃないかとかいうくだりもそんな簡単に解決なの!?と思ったり。

部員集めといえば昨年の傑作『ちはやふる』を思い出しますけれどもあの作品が如何に上手かったかということを改めて感じさせられてしまった次第でございます。

キャラ立ちもしっかりしていましたしね。

本作はキャラが立っているようでいてちょっと弱いというか、例えば無認可老人ホームとかソロコンテスト優勝とか野球を怪我でできなくなった不良とか出てくるときにはそれなりのキャラ立てがあるもののそれがのちに生きてこないのでキャラクターの持続力がないんですよね。

小出恵介演じる先生も出だしは凄く個性強めなキャラクターとして出てくるのにその後は意外と平凡というか。

中盤の何度も何度も繰り返していく展開ではいつ『セッション』のフレッチャーばりのしごきを見せてくれるのか楽しみにしながら見ていたのに意外と普通で肩透かしを食らった感は否めませんでした。

そもそもあの何度も何度も繰り返すことになる展開が終盤の肝になっていくわけですがあの積み重ねは果たして有効だったのでしょうか…

終盤の積み重ね展開について

僕は正直積み重ねすぎではないかと思いました。

だいぶクドいなと。

フルートをやったことがないのでわかりませんがそこまで積み重ねる程の難易度があるものには思えず、カタルシスをそこまで感じることができなかったです。
それに付随して起こる長回しのケンカシーンは唯一映画的で良かったと思いますが、それぞれのキャストの顔がほとんど見えなかったのがとても惜しかったです。

なにやらあのシーンは全編アドリブだったらしくそのため顔に寄った撮影ができなかったのだと思われますが、どんなに台詞を重ねるよりも顔の寄り一発で伝わる情報量の方が多かったりすることもありますからね。

そして再び女優としての橋本環奈

さて、冒頭から言っている橋本環奈が女優として押し上げているかどうかの話に戻りましょう。

僕は『セーラー服と機関銃-卒業-』が比較的好きな方なんですがあの映画は正直とても変な映画で色んなジャンルが混ざっているのにも関わらず橋本環奈という圧倒的なアイドル力を以てして成立させてしまっている絶妙なバランスの映画だと思っています。

しかしその先に橋本環奈自身が行くにはやはり女優力を身に着けていかなくてはならないわけです。

今作にはそれぞれの役者とのアンサンブルという点においてあまり良しと言えるシーンがなかったことや、

結局楽器を吹くという行為自体はやはり個人の努力次第のように思え、橋本環奈 対 人 の構図から橋本環奈 対 楽器 の構図になっていってしまったように感じられました。

そうなることで女優としての成長ではなく、結局楽器を吹いている姿が画になるというアイドル的なルックからの脱却にはならなかった。

結果として最後のカタルシスとともに女優としての成長を感じることができなかった。

というのが僕の個人的な見解であり、

映画としても『ちはやふる』『幕が上がる』『くちびるに歌を』ほどの学園部活ものとしての完成度があるものでもなかったという感想です。

それでも今後の若手監督がこういう作品に挑むことや橋本環奈の活躍には大いに期待しております。

おすすめ度

☆6.5/10

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