正当なロマンポルノの現代リブート『牝猫たち』感想/ネタバレ

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あらすじ
日活の成人映画レーベル「ロマンポルノ」の45周年を記念し、日本映画界の第一線で活躍する監督たちが新作ロマンポルノを手掛ける「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の1作。「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督が、夜の街で生きる女たちの切なくも可笑しい日常を切り取った群像ドラマ。池袋の夜街をさまよう3人の女。それぞれの悩みを抱える彼女たちは、呼び出された男たちと体を重ねながら、明日に向かってたくましく生きていく。ヒロイン役に「ローリング」の井端珠里、「アルビノ」の真上さつき、「インプリント ぼっけえ、きょうてえ」の美知枝。かつて日活ロマンポルノのトップ女優としても活躍した「復讐するは我にあり」の白川和子が、SMクラブのマダム役で出演。
スタッフ
監督
白石和彌
脚本
白石和彌
製作
由里敬三
エグゼクティブプロデューサー
田中正
プロデューサー
小室直子
キャスト
井端珠里
真上さつき
美知枝
音尾琢真
郭智博
製作年
2016年
製作国
日本
配給
日活
上映時間
84分
映倫区分
R18+
初日の14日に新宿で観てきました。
ロマンポルノのリブート企画として正当なアプローチを見せた良作だと思いました。
濡れ場は目的ではなく手段である。
何かの問題を解決や表出させるために映画におけるそういった行為はあるべきで、この作品における濡れ場はただ何となくなどでは決してなく、例えば妻を亡くした老人のためであったり、愛情を持つことへの怯えからなのかお金を払わないとそういう行為ができない青年のためであったり、人間の深層心理を描くために存在しているように感じられました。
そして今回タイトルが『牝猫たち』となっていますが僕はどちらかというと男の話のように感じました。
風俗店で働く人たちの話であり売る人がいれば当然買う人がいるわけで、その両方を描くことで世界が狭くなることなくしっかり描かれていた印象を受けました。
終始繁華街のネオンに必要以上のレンズフレアを出させているのも効果的で、東京という街の安っぽさみたいなものを演出していたように感じました。
終盤のある展開を追いかける野次馬のスマホのカメラライトにまでレンズフレアを点けていることでより強調されていたと思います。
またネットや動画配信などを介した現代的な悲喜こもごもリブート企画としてとても的を射ていてよかったです。
白石監督が監督の一人として参加していたNetflixオリジナルドラマ『火花』にも出演している松永拓野さんやとろサーモンの村田さんなどが引き続き出演しているのも嬉しかったです。
(村田さんに至っては本業であるお笑い芸人の役での出演で相方の久保田さんもそのまま相方役で出演していて笑えます。)
そして何と言っても井端珠理さんがとても魅力的でした。
これまで『ローリング』や『グッドストライプス』などでお見かけして端で光るエッセンスを持った女優さんだなとは思っていたものの主演となると少々荷が重いのではないかなと勝手ながら邪推していました。
序盤はやはり主演としては足りない部分もあるなと感じながらの鑑賞だったのですが、終盤に進むにつれてその魅力を遺憾なく発揮していたように思いますし、最後の事務所での濡れ場は笑えるシーンでありながらとてつもなくエロく、主人公が成長した様をエロで体現するというロマンポルノらしい回答を出してくれた作品になっていたし、彼女だからこそ魅せられた回答だったのではと感じました。
近年まれに見るほどエロに真っ当に向き合った作品だったと思います。
この作品が作られただけでもリブート企画が始動して良かったと思える程に。
ぜひ今後とも新たな作品と役者に出会える場としてロマンポルノリブートが機能し続けてくれたらとてもありがたいです。
おすすめ度
☆8/10

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