善悪の尺度映画『悪人』

今回は怒りが絶賛公開中の李相日監督の『悪人』をご紹介します。
悪とはなにか自問せずにはいられない傑作映画だったと思います。
あらすじ
芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーを妻夫木聡&深津絵里主演で映画化した人間ドラマ。長崎の外れの小さな漁村に住む祐一(妻夫木)は出会い系サイトを通じて佐賀在住の光代(深津)と出会う。逢瀬を重ねる2人だったが、祐一は世間を騒がせている福岡の女性殺人事件の犯人だった……。監督は「69」「フラガール」の李相日。共演に岡田将生、満島ひかり、柄本明、樹木希林。
スタッフ
監督
李相日
脚本
吉田修一
李相日
プロデューサー
仁平知世
川村元気
キャスト
妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、樹木希林、柄本明
製作年
2010年
製作国
日本
配給
東宝
上映時間
139分
映倫区分
PG12
本作は『怒り』と同じく吉田修一さん原作の作品でこちらでは吉田さんは脚本にも名を連ねています。
そのせいか、『怒り』と比べてより濃く原作の持ち味が反映されているような気がしました。
世の中にはとるに足りない小さな悪が散らばっています。
手を下してしまった人だけが悪なのか、
善悪の尺度というのはそれだけで測れるものなのか?
そんなことを思わずにはいられない作品でした。
地方独特の閉塞感に何度も息が詰まりそうになりました。
僕は九州に行ったことは1度もないですがそれでもこの時が止まってしまっている感じが地元と似ていて分かるような気がするんです。
車のシーンが異様に多いのも、車がないと生活できない地方の暮らしを象徴していて、途方もないほどどこまでも密室が続いているようでした。
だからその密室から逃れたくて広い海の見渡せる灯台を目指したのかもしれないなと気づかされました。
最後に海を見たときの妻夫木さんの表情は映画史に残るほどの素晴らしい顔だったと思います。
他の役者さんもみなさん素晴らしく、その中でも柄本明さんの弔問に来た警察に対する対応が、これまで必死に娘を育ててきたことが凝縮されていて、
だからこそその痛ましさをもって柄本さんの役が語る「今の世の中には大切な人がいない人が多すぎる。」という台詞が胸に深く残ります。
明るい映画ではないですがまだ未見の方は1度見てみることをおすすめします。
おすすめ度
☆8/10

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク