黒沢清とフランス映画の衝突映画『ダゲレオタイプの女』

今回は黒沢清監督の最新作にして海外初進出作品『ダゲレオタイプの女』を紹介します。
僕が観に行ったシネマカリテさんには劇中で印象的に登場する衣装と写真を撮るときにモデルを固定するために使用される器具が展示してありました。
世界に誇れるほどに美しい映画であり、随所に光る黒沢清節はとても見ごたえがありました。

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あらすじ
「岸辺の旅」で2015年・第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞した黒沢清監督が、オール外国人キャスト、全編フランス語で撮りあげた初の海外作品。世界最古の写真撮影方法「ダゲレオタイプ」が引き寄せる愛と死を描いたホラーラブストーリー。職を探していたジャンは、写真家ステファンの弟子として働き始めることになったが、ステファンは娘のマリーを長時間にわたって拘束器具に固定し、ダゲレオタイプの写真の被写体にしていた。ステファンの屋敷では、かつて首を吊って自殺した妻のドゥニーズも、娘と同じようにダゲレオタイプ写真の被写体となっていた過去があり、ステファンはドゥニーズの亡霊におびえていた。マリーに思いを寄せるジャンは、彼女が母親の二の舞になることを心配し、屋敷の外に連れ出そうとする。
監督
黒沢清
脚本
黒沢清
プロデューサー
吉武美知子
ジェローム・ドプフェール
共同製作
ジャン=イブ・ルーバン
キャスト
タハール・ラヒム、コンスタンス・ルソー、オリビエ・グルメ、マチュー・アマルリック、マリック・ジディ
原題
La femme de la plaque argentique
製作年
2016年
製作国
フランス・ベルギー・日本合作
配給
ビターズ・エンド
上映時間
131分
映倫区分
PG12

黒沢清監督といえば日本にもファンが多く、今や日本の若手映画監督たちの師のような存在にまでなっている映画監督なのですが、今作でようやくの海外映画デビューとなりました。
率直な印象としてはパッと見、本当にフランス映画のようにしか見えないルックでありながら、随所に黒沢清のホラー映画独特の演出が見え隠れし、とても奇妙かつ喜ばしい心地にさせられました。
内容は日本の古典的怪談話を彷彿とさせるような話になってゆくのですが、もし仮にこの話を日本で撮っていたとしたら多分成立しなかっただろうなと思えるほどにフランスの俳優たちの持つ説得力にはすごいものがありました。
映画ファンとしては日本の監督の作品でタヒールラヒムやオリヴィエグルメが見られるなんてそれだけで夢のようでもあり、
ここからその俳優たちを知った人たちが過去作を辿っていく道しるべになればいいなぁと思います。
僕が韓国人映画監督ポンジュノ監督のハリウッド映画『スノーピアサー』を観たときに感じた、日本人にこんな映画が今後撮ることができるのか…?という悔しさに対して、
黒沢清監督から『日本人ならこんな描き方が出来ますよ』という冷静な返信を頂いたようなそんな気にさせられました。
日本からこんな素晴らしい映画が生まれたんだと胸を張って言える映画に仕上がっていると思います。
ぜひご覧いただければと思います。
おすすめ度
☆8.5/10

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